
硝子体手術
硝子体手術
当院では大学での経験を活かして、硝子体手術を日帰りで行っており、幅広い硝子体および網膜疾患に対応しています。
硝子体(しょうしたい)は、眼球の大部分を満たすゼリー状の透明に近い組織で、眼の形を維持する役割を果たしています。
硝子体手術では、まずこの硝子体を切除吸引して除去することから始まっていきます。
硝子体自体が濁っていて除去が必要な場合と、網膜に病変がある場合や眼内レンズ難治例などの前処置として硝子体の除去が必要な場合があります。
これは2020年における東邦大学での手術頻度を示した円グラフになります。黄斑上膜、裂孔原性網膜剥離や黄斑円孔、糖尿病網膜症、眼内レンズの固定などが続きます。
当院では、Alcon社製の『Constellation』という先端機器を導入し、大学病院や基幹病院と同等の環境とスタッフで手術を行っています。また、Zeiss社の顕微鏡『Lumera T』に加え広角眼底観察システム『Resight』を採用し、手術の高精度化と安全性を最大限に高めています。
点眼麻酔と球後麻酔(眼球後方への注射)を組み合わせて痛みを抑えます。
白目部分に手術器具やライトを挿入するための小さな穴を3-4か所開けます。
専用カッターを使って硝子体を切除し、灌流液で眼内を満たします
膜処理:黄斑上膜や黄斑円孔、糖尿病網膜症では鑷子(せっし)にて網膜上の膜をできる限り丁寧に剥がします
ガス注入:網膜に孔がある場合や黄斑部の膜を剥く場合には、術後にガスを入れる場合があります。術後早期はうつ伏せ(体位制限)をしていただきます
レーザー:裂孔周囲や血流低下部位などにレーザーを照射します。
手術器具を挿入した部分は必縫合します。縫合糸は術後の違和感となる場合には抜糸を行います。
手術後、空気や医療用ガスを眼内に注入した場合は、うつ伏せや側臥位の姿勢を取る必要があります。ガスが入っている間は飛行機に乗れない、見えにくいなどありますので、医師によくご確認ください。ガスは完全に抜けるまで2週間程かかります。
硝子体手術と同時に白内障手術を行うことが多いですが、患者様の年齢や症状に応じて相談しながら治療方針を決定します。
手術費用は、疾患の種類や患者様の保険状況により異なります。高額療養費制度を利用することで、一定額を超えた分は払い戻される仕組みです。詳しい金額や制度については、受付にてご案内します
硝子体手術は安全性が高い手術ですが、以下のような合併症が起こり再手術などの対応が必要になる能性があります。
その他の合併症や白内障手術に関連するリスクについても、事前に詳しくご説明いたします。