
ボトックス治療
ボトックス治療
眼瞼けいれんは、まぶたを開閉する筋肉(眼輪筋)が過剰に収縮することで、目を開けづらくなる疾患です。脳の神経回路の異常が関与しており、中枢神経系の機能障害と考えられています。
眼輪筋が過剰に収縮すると眼の周りの違和感や、なにかゴロゴロするなどの軽微な症状のことも多くあり、ドライアイとして治療され、なかなか診断にいたれないケースも多くあります。
眼輪筋の収縮の影響で眉毛は引き下げられます。
眉毛の位置だけでなく、その形も上に凸の眼瞼下垂に対して眼瞼痙攣では逆ハの字形の特徴的な形で、診断には重要です。
「目を開けているのがつらい」「目を閉じているほうが楽」という訴えは、かなり本疾患の患者さんから聞くことが多いのです
また、まぶしさや目の乾き、ゴロゴロ感などのドライアイ様症状や感覚過敏(風・光・音への過剰反応)のような不定愁訴様の症状がでることも診断を難しくしています。
重症例では、重症になると歩行中に目を閉じてしまうなど、日常生活に大きな支障をきたします。
眼瞼痙攣は、脳の神経回路の異常が関与していることから、 抗精神病薬をはじめとする向精神薬(抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬など)は、中枢神経系に作用するため、眼瞼痙攣の発症や悪化に関与することがあります。
原因となりやすい薬剤には以下のようなものがありますが、内服がある場合には申し出てください。
薬剤性によって眼瞼になっている場合には、実際に処方している他科と相談を行いながら、原因薬の減量・中止が可能かどうか慎重に検討していきます。
薬剤性ではない場合には最も効果的な治療はボツリヌス毒素注射です。
まぶた周囲の筋肉にA型ボツリヌストキシン(Botox®など)を注射することで、筋肉の過剰な収縮を抑える治療法です。これは局所ジストニアの一種である眼瞼痙攣に対して、世界的に標準治療とされている対症療法です
眼周囲の筋肉に少量注射することで、過剰な収縮を抑え、症状を軽減します。 効果は2〜3日後に現れ、3〜4ヶ月持続します。
投与すぐなどは効果が強く出ると、少しの間、瞼が開きにくなりますが、薬の効果がなくなれば改善します。
顔の片側(右または左)の筋肉が自分の意思とは関係なく痙攣・引きつる疾患です。
原因の多くは、脳の血管が顔面神経を圧迫することによるものです。
つまり眼瞼痙攣とは全く違う病気です。
症状はスイッチが入ったようにけいれんが出現し、だんだんとけいれんが広がっていく場合に多くあります。
片目のまぶたがピクピクする→同じ側の頬・口元・顎へと痙攣が広がる→顔がゆがむ、片目が閉じたままになる。
緊張と症状がリンクすることも多くあります。
耳鳴り(内耳への振動伝達による)
進行すると、人前に出づらい、運転が困難など、生活の質に影響します。
YouTubeに症状の動画があったので共有します。(外部サイトへ移行します)
YouTubeで症状の様子を確認する
原因が顔面神経への血管の圧迫なので、必要に応じて画像検査(MRI・MRA@地域中核病院)で顔面神経への血管圧迫を確認することもあります。
当院での第一選択はボツリヌス毒素療法です。 痙攣している筋肉に注射することで、軽度の麻痺を起こし、症状を抑えます。 効果は2〜3日後に現れ、約3〜4ヶ月持続します。
根治を目指す場合は:微小血管減圧術(Jannetta手術):顔面神経を圧迫している血管を移動させる外科的治療。高い成功率(80〜95%)がありますが、全身麻酔と入院が必要です。