白内障
白内障
白内障とは、水晶体と呼ばれているレンズが濁ってしまう病気です。そのため、白内障になると、目に入る光が少なくなり、見えにくくなったり、ものがぼやけて、かすんで見えたりします。
水晶体とは眼の中で凸レンズの役割をして働き、網膜上に光を集約しています。
白内障は混濁の種類により、核白内障(図1)、皮質白内障(図1)、後のう下白内障などに分類されますが、手術方法はどれも一緒です。
【図1】
水晶体が白く濁ってしまうため眼内に光がうまく入らず、以下のような症状が起こります。
患者さんが「見えにくくて不便」と感じた時が、手術を検討するタイミングです。
白内障により日常生活の質が下がれば手術が必要です。これは患者様のライフスタイルや性格、職業によって異なります。当院ではできるだけ患者さんと相談しながら、手術のタイミングを決めていきたいと考えています。
白内障における検査では、視力やコントラストなどで術前後の視機能(見え方)を検査し、細隙灯検査、眼底検査、眼圧や角膜内皮などで術前後の眼の状態を評価・確認し、眼軸長測定や角膜曲率半径などから眼内レンズを決めることなどを行っています。
白内障では眼内に新しいレンズを入れますが、術後にどこに焦点を置くかということを、患者さんの生活スタイルなどから相談させていただき、最も効果の感じられる焦点を見つけていきます。
どれだけ細かいものを認識できるかの検査になります。白内障手術において最も大事な評価項目の一つです。
眼の硬さを測ります。術前では異常がないことの確認、術後は炎症により早期の眼圧上昇、創部漏出などによる低眼圧の有無などを確認しています。
白内障術後に見やすくなるためには、角膜が透明であることや眼底に大きな異常がないことが大事になります。細隙灯顕微鏡で前眼部・眼底を細かく確認し、必要な場合にはOCT検査などを施行します。
白内障の手術は角膜のすぐ下で操作をするので、術後の角膜に影響を及ぼす可能性があります。そのため角膜の内側の細胞数を測定することで、その正常度を調べます。
眼の長さ(角膜から網膜までの距離)をはかる検査です。
水晶体の状態に合わせて光や超音波などを用いて測定します。
角膜は眼の中の2/3の屈折を有していますが、当然、個人間でその形は全く違いいます。この形状を正確に計測することは、眼内レンズを決定するのに重要です。
角膜形状測定は、コンタクトレンズの装用によって角膜の形が変わることを防ぐために、検査前に一定期間コンタクトレンズの使用を中止する必要がありますので、必ずご相談ください。
当院では白内障の手術は日帰りで行っております。
局所麻酔で手術を行います。
手術は水晶体の嚢(ふくろ)に丸く孔を開け、超音波で水晶体を細かく粉砕・乳化させ、それを吸引し、嚢(ふくろ)だけの状態できれいにします。その嚢(ふくろ)の中に眼内レンズを挿入します。
人工眼内レンズには単焦点と多焦点があります。手術の説明時に医師にご相談ください。
1.手術前の検査 |
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上記の白内障検査に合わせて、手術前に必要な感染症などの採血を行います。 |
2.手術の説明と手術日の決定 |
手術方法の詳細、リスク・合併症などについて丁寧に説明します。 |
3.手術3日前からの点眼 |
手術前の3日間は、事前に処方された抗菌薬を忘れずに必ず点眼してください。 |
白内障手術当日は手術開始の60分前に当院へお越しください。また、術後はご自身ではお車などの運転ができないので注意してください。(タクシーが必要な場合にはお気軽にご相談ください。)到着した後は、点眼処置を行います。
1.手術開始 |
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白内障手術開始点眼麻酔を行った後に、手術を始めます。意識はありますが、ほとんど痛みは伴いません。手術は約10~20分で終わります。 |
2.手術後 |
リカバリー室でしばらく安静にしていただいてからご帰宅となります。術後は眼帯を付けたままお過ごしください。その後は、術後の注意点、過ごし方、検診、点眼薬などの説明を行います。 |
術翌日後から眼帯は不要になりますが、目をぶつけたりしないよう、また触らないよう保護用眼鏡をかけて過ごしていただきます。
術後感染症を発症すると、急な視力低下や強めの違和感や痛みが起こってしまいます。「見えにくい、いつもと違う」など気になった際は、速やかにご連絡ください。
手術に痛みはありますか? |
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触る感覚は残りますが、基本は痛くない手術です。ご不安がある場合には麻酔を増やすなど対応しますので、お気軽にご相談ください。 |
手術で挿入した眼内レンズを交換することはありますか? |
術後の見え方にあまりにもご満足いただけない場合に、眼内レンズを摘出、再挿入を検討することがありますが、基本はありません。 |
眼内レンズが挿入できないケースはありますか? |
術中の合併症(チン小帯断裂や後のう破損)などにより、嚢内にレンズを挿入できない場合があります。このような場合も基本は硝子体の処理後に眼内レンズを固定しますが、手術当日に眼内レンズを挿入しない方が安全な場合にはレンズを挿入できないこともあります。 |
眼内レンズを入れた後、どのような見え方になりますか? |
術後の見え方は以下のような条件に影響されますので、詳しくは医師にご相談ください。
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